応援部チアリーダーズ インタビュー

応援部チアリーダーズ ─運動部から愛される部活であるためにー

 

「ひとつひとつの部活に熱をかけてやっていけたら、応援部と運動部との関係はどんどん良くなる」

「応援部はどの部活からも愛されなければいけない」

 

──そう語るのは、応援部チアリーダーズで活躍する、4年生の青山優希さん。「応援企画」という、他部活から応援依頼を受け付ける役職に就いています。

 

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応援部チアリーダーズ4年生の青山優希さん

 

運動部員の生の声をお届けする「VOICE東大運動部」、第2弾となる今回は、たくさんの部活と関わる応援部だからこその苦悩成功体験をたっぷり伺いました。

応援にかける熱い思いから、チアリーダーズのオフ事情まで、余すところなくお届けします!

 

 

入部のきっかけは、応援

─オーソドックスなところから伺いたいのですが、応援部に入ったきっかけや理由を教えて頂けますか?

 

大学に入ったときに、体育会の部活に入りたいなと思いました。4年間全力で活動したくて。

でも、初めはマネージャーになろうと思ってたんですよ。自分がプレイするよりは、支える側でやっていきたいなって思っていたので。

 

―最終的にはマネージャーではなくチアリーダーズを選ばれたんですね。


チアリーダーズなら、一つの部活に集中しないで、いろいろな部活の応援に行けるじゃないですか。そこに魅力を感じました。応援に惹かれてチアに入ったんです。

 

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─「支える」というところが起点だったんですね。チアリーダーズの方にはたまにダンス経験があって…という人もいますが、青山さんはどうでしたか?

 

全然なかったです(笑)高校では吹奏楽やってたんですよ。私の高校には、全校で野球部の応援に行く全校応援というのがあって、吹奏楽部として吹いていたんです。そしたら、野球部の人に、応援がすごく力になったと言ってもらえて。

 

─青春ですね…!!

 

そう、青春(笑) それで、大学でもこういう経験ができたらいいなと思ったんです。

応援部には吹奏楽団もありますが、大学では新しいことを始めたいと思ったのと、体験練習でキラキラした先輩方に惹かれてチアリーダーズを選びました。

 

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吹奏楽部時代の様子。野球部の応援で吹くこともあったそう。

 

応援の力で試合展開を変える!

―初めて応援した時はいかがでしたか。

 

東大の応援部は、新歓期というか、4月の最終週からもう新入生が硬式野球部の応援に行くんですよ。他大学だと、一人前になるまでコスチュームを着られない応援部もあるんですけど、東大は早くから神宮で応援する

初めてなので、「髪の毛これでいいのかな?」とか、基本的なことが気になっていたのが思い出です(笑)

 

―神宮での硬式野球部の応援は、毎年とても盛り上がりますよね。今年の春季リーグも東大生に応援を呼びかける企画があったりしました。

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応援部のTwitterアカウントなどで、さかんに東大生の観戦が呼びかけられました。

 

そうですね!神宮については、試合本番に向けて、合宿で野球の応援を練習するのが印象的です。

お客さんはいないんですが、お客さんに声をかける想定で応援するんですよ。「まだまだここからですよー!」とか。

 

―エア神宮応援をするんですね! 試合展開とかはどうなるんですか?

 

試合展開は、リーダーの4年生が決めます。応援が悪かったらヒットを打たれちゃったり。応援によって試合展開が変わっていくんです。

この練習では基本的に、アウトがなかなか取れないんですよね。ずっとボール、みたいな。そこを応援で変えていかなくちゃいけない。どう言えば盛り上がるだろうって想定して「まだまだここからですよ!」「ここから盛り上がっていきましょう!」ってたくさん声を掛けます。誰もいない空間なんですけど(笑)

 

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神宮での硬式野球部応援。観客・応援部が一体となって盛り上がります。

 

―シュールですね(笑)でも、応援の力で試合展開が良くなっていくって、グッときますね!

 

そうなんですよ。実際、試合でもそういう状況が結構あるんです。なかなかアウトが取れない時に、応援で盛り上げていこうって。本番になると色々な要因が絡まってくるので、単純にはいきませんが、やっぱり私たちの応援で勝利に繋げようって気持ちでやっています。

 

どの部活からも愛される応援部を目指して

―神宮について伺いました。他の部活について、印象深いことはありますか?

 

私、応援企画っていう役職なんですけど、これは神宮以外の全ての応援を統括する役職なんです。神宮と他部活の応援が被ったら、神宮じゃない方に必ず行くという役職です。

それで、実は、神宮以外の部分にもすごく思い入れがあるんです。

 

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いただいた名刺にも「応援企画」の文字が。

 

どの部活も1年に行ける回数は限られているんですよ。硬式野球部をのぞいて、前期だけで25くらいの運動部の応援に行くんです。そうすると、特に土日は試合が被ったりして、応援部がいけるのは1年に1部活あたり3~4回だけなんです。その限られた中で、私たちができる最高のことをしようと思って、活動しています。

 

─熱い思いがあるんですね!なにかきっかけになるようなことは…

 

私が3年生の時に1年間、男子ラクロス部の担当をしたことがきっかけです。

 

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最初、応援部とラクロス部の関係はあまり良くなかったんです。私が1、2年生の頃、大事な試合に応援部の都合が合わなくて、行けなかったことが何回かあって。決勝戦にも行けなかったんですよ。

だから3年生になって、担当者としてラクロス部と接したときにも、「今年は来てくれるんですか?」という話になったり。でも、最終的に決定するのは先輩なので、「約束はできないけどお願いしてみます」みたいに丸く収める状態が続いていました。

 

―板挟みになっていたんですね。

 

そうですね。そういう状態の中で、両部の関係が良くないな、と実感しました。そこから、どうやったら応援部をまた好きになってもらえるだろう、これからも来てほしいと思ってもらえる部活になれるだろうって考えるようになりましたね。

それで、応援動画を作ることにしたんです

 

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応援動画のスクリーンショット

 

応援に行きたくても、どうしても部の都合がつかないことがある。そういう時は、いけない試合の前日に動画を送ることにしたんです。

 

ラクロス部の人たちが出ている動画を組み合わせて、各パート(リーダー・チアリーダーズ・吹奏楽団)でメッセージも撮って「明日は応援には行けないけど、遠いところから応援しています」って。応援部も、頑張ってほしいと思ってます、っていうのを伝えたかったんです。

そしたら、ラクロス部の方も、「応援部は来れないけど、自分たちを応援してくれている」って思ってくださって。

 

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応援動画のスクリーンショット

 

去年のリーグ戦の準決勝で、東大ラクロス部が勝ったんです。逆転勝ち

 

1点差でリードされてる状態で試合が続いていたのですが、もう負けちゃうのかな、みたいな雰囲気はなくて、スタンドのラクロス部員もお客さんも諦めていないというのを感じました。

だからこそ「絶対勝てる」っていう雰囲気を応援部がもっと出さなきゃって思ったんですよ。まだまだだぞって、全力で盛り上げて。そしたら最後の最後で1点入れて同点になって、延長戦にもつれ込んだんです。

 

勝った時には、みんな泣いてました。本当に、やっててよかったなって。

 

―めちゃくちゃ熱い展開ですね…!

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ラクロス部の応援の様子

 

試合が終わったあと、男子ラクロス部の方から、「応援部が来てくれなかったらあの1点は入らなかった」って言って頂いて、それでまた、やっててよかったって思いました。

 

ラクロス部の担当になった最初の頃は、うまくいかずに落ち込んだ時期もありました。でも、半年くらいでここまで人間関係が良くなるんですよね。今はこの役目は3年生にバトンタッチしましたが、やっぱりひとつひとつの部活にこのくらい熱をかけてやっていけたら良いなあ、と思います。それによって、応援部と他の部活との関係もどんどん良くなっていくだろうと思います。

 

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ラクロス部の応援の様子

 

応援部はどの部活からも愛される部活じゃないといけないその窓口が私です。応援依頼を受けるのも私。私の健闘1つで相手の部活の思うところも変わっていきます。そこは特に気をつけながらやっているところです。

 

青山さんなら、絶対に良い関係を築いていけると、お話を伺っていて感じました!

 

応援依頼、募集中!

―ラクロス部と硬式野球部の応援について、色々と伺ってきました。逆に、今まで応援に行ったことがない部活で行ってみたいところはありますか?

 

個人的には、ラグビー部に行ってみたいですね。今、全然関わりがなくて。

試合中に応援できない部活には壮行会を開いたりしていて、そういうのでもいいので、やってみたいです。

 

―新しい部活の応援に行くときって、どう始まるんですか?

 

応援部から言うことはほとんどないです。

大抵、幹部の4年生同士が友達だったりして、「うちにも来てよ~」っていう話になって、応援依頼をもらう感じです(笑)

 

―意外とフランクですね!

 

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そうなんです(笑)

最近は、各部の主将・主務を集めたライングループで、「応援したい部活は言ってください」って告知しています。ただ、何にせよ、部活の方から依頼がない限り新規開拓は難しいですね。

応援部としては、行ったことない部活にもっと行ってみたいと思っているので…運動部の方、もっと応援依頼ください!(笑)

 

閑話休題:オフの過ごし方

―応援部についてアピールしたいことはありますか?

 

うーん、なんだろう(笑)あ、応援部は厳しいだけの部活じゃないよっていうのは知ってほしいです。

 

―確かに、応援部は厳しいっていうイメージ、あります…!

 

みんな応援部は厳しそうっていうんですけど、普通に先輩ともごはんに行くし(笑)

部活の時はしっかり切り替えて、でもプライベートは楽しくやっています。

 

―応援部って忙しいイメージがあるんですが、オフもちゃんとあるんですか?

 

全然ありますよ(笑)週3オフなんで。基本土日は応援で、水・金の夜が練習ですね。それ以外はオフです。なので、月・火で旅行に行ったりもできます。もちろん勉強も(笑)

部活がある日も、拘束時間はそんなに長くないので、応援後とか練習前は友達とご飯に行ったりしてます。

 

―応援部のフランクな面、知りたいです!

 

同期とすごく仲良いです。めっちゃディズニー行きますよ(笑)

同期全体でも行くし、あとすごいディズニーオタクみたいな同期がいて、私もディズニー大好きなので、その子とはもう7回くらい行ってます(笑)

 

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同期とのディズニー、楽しそう!

 

学年に関わらず、ごはんにもよく行きます。やっぱ、応援部は、人が好きな人が多いですね。みんなコミュ障とか言いつつ、人が好きなんだなって思う瞬間が多々あります。

年に何度か、運動部交流会とかあるじゃないですか。毎回応援部がたくさん参加させて頂いてますが、あれも全然強制とかしてないんですよ。あるよっていったら、自然とみんな、「行きたい!」って。

 

―それはとっても嬉しいです!

 

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後輩とのごはんの様子。学年の垣根を越えて仲が良い!

 

やっぱり、人が好きなんだろうなって思います。他の部活の人と同期会をできるのも良いですね。応援に行ってる色んな部活の人と仲良くなれて、たくさん友達ができるのが魅力だなあと思います。

 

4年生として

―上級生としてのお話をたくさん伺ってきました。1~2年生の頃はどうでしたか。

 

入部当初は活動が盛りだくさんで、ただこなすだけで毎日が過ぎていく時期がありましたね。一つ一つのの思いとかもなくて、ただついていくだけで精いっぱいで。

 

―そこから、一つ一つの試合に気持ちを込めるとこまで持っていけたのはいつ頃でしょう。

 

2年の後期から慣れてきて、3年生になってから大分考えられるようになりました。

3年生からは、運営・企画側もするので、自分が一番考えてないと後輩もついてこないし、4年生の先輩方が自分の企画で動いているっていう責任感も生まれました。

4年生になってからは、全体を見られる余裕ができました。1年生の頃は「声を大きくしなきゃ」「きれいに踊らなきゃ」みたいな義務感でやっていたのが、今そこで何が起こっているかを把握しながら動けるようになりました。

 

―全体を見られる立場として、後輩を見て思うことはありますか。

 

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一生懸命になって周りが見えていない下級生を見ると、「私も昔そうだったな」って思います。後輩には、一つ一つの活動を辛いって思ってほしくないですね。

なので、疲れちゃっている子を見かけると、「大丈夫? 頑張ろうね」って声をかけたりします。一言言うだけで気の持ちようも変わると思うので。

 

―いい先輩ですね…!これから後輩に期待することは何ですか?

 

やっぱりこれまで通り、これまで以上に、運動部との関係をもっと深くしていってほしいです。これが一番強いです。

 

あとは、応援にしても、その時々で求められるものに柔軟に対応していってほしいですね。応援部は伝統が強い部活ですが、伝統は維持しつつも、応援については新しいものも取り入れてほしいなって思います。新しい曲とか、現実的なところだとインカムみたいな設備面とか。より良い応援を作っていってほしいですね。

 

―青山さんも12月には引退を迎えます。残りの数か月間で頑張りたいことや意気込みを教えて下さい。

 

一つ一つの活動を大切にしていきたいです。応援も、ステージも。

あっという間に過ぎちゃうと思うんですよ。この3年半もあっという間で、気付いたらもう活動するたびに「最後の○○」になっちゃって。残りの活動を悔いなくするために、月並みですけど、一つ一つちゃんと力を入れてやりたいなって思ってます。

 

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受験生・新入生へ

―青山さんが応援にかける熱い思いをたくさん伺ってきました。個人的なことなんですが、私自身、駿台で浪人していたときに東大応援部が壮行会に来てくれて、励まされた記憶があります。

 

ありますね! 駿台さんの壮行会とか、東進さんの祝勝会とか。

受験生を応援するときも、ああ東大に入ってほしいな、頑張ってほしいなって思いながらやっています。実際、ここで演舞を見てくれた子が、新歓期に来て、「応援されて嬉しかった」って言ってくれることがあるんです。

 

―それは嬉しいですね!

 

はい、ちゃんと力になれたんだなって思えます。

特に、センター試験後に開かれる壮行会だと、みんなセンター試験の手ごたえで一喜一憂していて、不安を抱えている子も多いですよね。そういう中でわざわざ時間を取って見に来てくれているので、毎年、そういう子に元気を与えたいと思っています。

 

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―最後に、来年度入ってくる新入生に向けて、一言お願いします。

 

応援部は、支える側演技を披露するプレイ側という2つの面があるのが良いなと思っています。本当に楽しい部活です。明るい人しか入れないんじゃないか…とか全然ないので(笑)、運動会を盛り上げたい人にはぜひ入ってほしいです。

人のためにこんな頑張れる人はいないんじゃないか、っていう熱い人がたくさん待っています(笑) 熱い人、大歓迎です!

 

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おわりに

青山さん、ありがとうございました。

 

たくさんの部活と関わっていく応援部は、関係構築の難しさに直面することがある。でも、一つ一つに熱を込めて誠実に活動する中で、良い関係を築き、勝利に貢献することもできるんですね。応援部の熱い思いを感じました!

 

 

さて、次回は自転車部旅行班です!お楽しみに!

 

(2019年8月17日 UP)